MBA Applicationの真髄のWhy MBA Essayではないが、そもそもなぜウガンダに来ているかについての頭の整理。(来てすぐにまとめようと思っていたが、
前の投稿を入れたっきりのびのびになってしまっていたので2ヶ月たったきりがよいタイミングで。。)
今回ウガンダに来るにあたって、何も難しく考えて、周到に計画きたわけではない。国際協力に関して深い知識があるわけでもなく、そもそもウガンダがどこにあるかさえ知らなかった。テーマは”あまり深く考えずに知らない世界に足をつっこんでみよう!”という非常にシンプルなものである。シンプルに国際協力・ボランティアの世界とアフリカの実情に興味があっただけだ。
とはいえ、この行動に出るにあたってはいくつか経緯・理由がある。重要なきっかけはMBAのApplication準備だ。
①Uniquenessと幅広い経験の重要性
MBAのApplication準備をするにあたっては、Professional・Academic・Private含む過去の全ての経験の洗い出しを行い、自分の価値観の再認識や他人との差別化ポイントの明確化を徹底的に行う。一回目のApplyの敗因分析をした際、自分のResumeを客観的に眺めてみて、日本では多少なりとも評価されうる経歴かもしれないが、なんとも金太郎飴の経歴か。プロのEssayカウンセラーの力を借りて、何倍も面白おかしく強調したものになっているが、そもそも自分で見て全く面白いと思わない。パンチがきいてない。こんな経歴は何千通と目を通しているAdmissionからみると目を通すのも眠くてしょうがないだろう。
MBAのApplicationに長い時間をかけて、アメリカに行く前にしてカルチャーギャップを感じたことは、
日本では多少変わってきているとはいえ、まだまだ
”同一直線上で高いperformanceを出してきた・出せる人が評価される”
に対し、アメリカでは
”如何に他人と違う(=uniqueな)成果を出してきた・出せる人が評価される"
点だ。長年日本の文化・教育システムにどっぷり漬かっているものとしては、与えられたカリキュラムや仕事を一生懸命やってるだけでは全く評価されない、"如何に他人と違うか?"が評価されるシステムを深く理解し、対応できるようになるにはなかなか時間がかかる。1回目のApplicationでは表面的なEssayにとどまり、そんなことを考える余裕すらなかった。
また、MBAを含むアメリカの大学・大学院へのApplyへは、仕事や学校でのperformanceに加え、Volunteer活動を含む多様な経験を重視する。大学卒業してから就職前に、1年間世界を旅するなどというのはよく聞く話だ。volunteer経験が評価の一つとなることで、アピールのための表面上のvolunteerが増える弊害ももちろんあるだろうが、社会全体として、volunteer経験を評価していくしくみは非常にすばらしいと思う。
何もMBA Applicationのためのuniquenessやvolunteer経験のアピールのために、を無理して出すためにこんな経験をするわけではない(10%くらいその気持ちがあるのは否めなく、また案の定Interviewでのうけも上々、ただこれが中心の動機ではあまりに不純で悲しい)。むしろ、純粋にやってみたい、また、”早くキャリアアップ”(キャリアアップという言葉が一直線上の戦いで好きではないのだが)するためにいろいろな可能性を犠牲にしてきたと感じ、”少しでも興味があることを遠回りになってもいいからInspirationに応じて挑戦してみよう!”と思ったのが動機だ。とくに留学前(現在その大前提がピンチなのが痛いところだが)にこんな自由に使える時間は二度とない、今しかない。純粋に自分に興味のあることの積み重ねが、uniquenessにつながっていくと信じている。
②Career Goalの模索からSocial Impact(社会貢献)への興味の気づき
よくMBAのApplication、とくにCareer Goal + Why MBA Essayを作成するにあたって、"今まで自分のCareerについてこんなに真剣に考えたことがなかった!本当のGoalを見つけられた!"などといった、感想を聞く。TOEFLやGMAT対策にはほとほと辟易していたが、このEssay作成の過程の苦しみには非常に期待していた。が、、1回目のApplicationでは、Scoreメイクに最後まで手間取り、またプロジェクトトラブルで激務に追われ、2~3ヶ月(ほぼ実質直前の1ヶ月)で作成せざるをえず、短時間でそれらしいLogicと体裁を整えるために心にもないキャリアゴールを記述し、たとえ結果が出たとしても、期待していた体験とは程遠い不完全燃焼な結果となった。
2回目のApplicationでも、"本当のゴールが見つけられた!"などといった状態からは程遠いが、なんとなくの方向性が見えてきたのが正直の感想だ(もちろんEssayのためにはもっと具体的にもっともらしい詳細なゴール設定を記述しなくてはならないのが、このprocessの苦しいところなのだが)。
どんな人でも”社会に貢献したい”という気持ちはあるだろう。もちろん私もその1人だ。経済競争がグローバル規模でこれほど厳しくなる前は、どの日本企業も”社会貢献”というのを企業理念にかかえ、かつ実践してきたと思う。ただ、バブルが崩壊し、グローバル経済競争が厳しくなるあたり(ちょうど自分が就職する前後)から、企業が生き残りを図るために、ありとあらゆる手段をうつ、そのためには社会貢献なんと悠長なことはいってられない(もちろんCSRなど表面的な対応は抜かりないが、これも競争に勝ち抜くための条件の一つ)というのが大体の企業の状況だろう。
かくいう自分も、”年功序列が崩壊し、100%結果で評価されるすばらしい時代が来た!”などと意気込み、”とっととビジネスで成功(成功の像として抱いていたものがあまりにも短絡的ではずかしい限りだが)して、40-50代になってから悠々社会貢献でもしていこう”、などとぼんやりと考えていた。
我々の世代の日本人は皆そうだと思うが、そもそも幼少期から経済・ビジネス中心の教育は受けてきていない。もっとゆったりとした教養や文化を大切にする教育を受けてきたはずだ。”金持ち父さん”などといった本(中身読んでないのでなんともいえませんが)が出てきたのは、2000年前後だろう。ビジネス≒儲けといった単純な目標に一時期・そして自分の一生をささげるのは続かないだろう。
などと考えているうちに、世の中でも同じような動きがでてきていることに気づく。既存のPublic ServiceやNGO/NPOだけにとどまらず、ビジネス界ももっと社会に貢献しようという動き。既存のCSRにとどまらず、Social Entrepreneurship・Social Enterprise・Social Responsible Business(日本だと社会的起業とか社会的企業)などビジネスの仕組みをつかって社会に貢献していこうという動きがビジネススクールにおいても活発になってきている。Microfinanceを通じた貧困の削減の功績でノーベル賞を受賞したMuhammad Yunusは現在
HEC(フランスにあるビジネススクール)の名誉教授となっている。日本でも
ISL(昨年社会イノベーションセンターなるセンターで
教育プログラムも開始)など、そうそうたるビジネス界の重鎮やコンサルティング業界・投資銀行・社会的バックグラウンドのある面々を巻き込んで活動をStartさせている動きもいくつかある。日々競争にさらされて高い実践スキルを持ちフットワークの軽いビジネス界の人材(とくにMBAで教育を受けたような人材)が、public serviceやNGO/NPOそしてSocial Responsible Businessを通じて社会貢献できる機会は非常に大きいのではないか?というのが私の直感的な認識である(Essayにはさもより具体的なゴールがあるように記載しているが、これが今の私の限られた知識レベルでの純粋な認識だ)。
また、MBAの学校選定にあたって、何十人と在校生・卒業生の生のお話を伺ってきたが、1人だけずば抜けて心に突き刺さった方がいた。その方は戦略系のコンサルティングファームで数年経験を積んだあと、
MIT SloanのMBA(私の超第一志望だったが2度にわたるTryも無念に砕け散り傷心中・・・)に留学し、さらに1年追加して
Harvard Keneddy SchoolとのJoint degreeを修了。Business Managementだけではなく、Public Service・Social Impactにも非常に興味がある方で、通常のMBAの学生と異なり、3年間で3回のInternを、コソボで国連の紛争解決プログラム、世界銀行のNY本部、(あとどこか忘れてしまったがもう一つ)で実施。その方のMotivationの原点は二つ。①誰もが解けないような難しい問題を自分が解決する醍醐味、②自分の仕事を通じて相手、そして社会に貢献すること。この二つはいままでやってきた戦略系のファームでの仕事の根底にもあるが、とくに②について、”イノベーションを通じて液晶テレビの薄さを1cm縮める”のもexcitingな仕事だが、”イノベーションを通じてワクチンの普及率を改善し何万人の命を救う”仕事のほうがもっとexcitingでしょ(正確な具体例は違ったかもしれないが、こんなニュアンスのことをおっしゃっていた)、とのこと。こんな頭脳明晰でかつハートの熱い人が世の中・そして日本にいるんだ!との喜びとともに、自分の整理しきれないもやもやした考えをすっと2点にまとめてもらったような気がした。
自分の方向性は発見したものの、知識・経験ともに全くないこの世界にどう切り込んでいくかが今後のテーマである。まずは難しく頭で考える前に、現場で何が困っているか見てみよう!というのが主旨でここウガンダにきたのである。
③とっとと海外経験を積む
残念ながら1回目のMBA Applicationの結果に満足することができず、また第一志望の学校に対する思い入れがあまりにも強すぎることから、それほど迷うことなくRe-Applyの道を選んだ。ただ、当初のcareer planから一年ずれてしまったことで、仕事を通じて得られる成長がほとんど”0”となってしまい、同じような案件をこなす日々が続き、”時間がとまってしまっている”感覚がした。新しい仕事にチャレンジしない自分のせいもあるが、MBA留学で得られるようなTransformativeな体験を仕事を通じて得ることは難しい。また、MBAの準備で紙の上ばかりの計画がつづき、生の体験が欠落している自分に焦りを感じていた。MBAの動機としてProfessional Skill的な部分もあるが、もっと根源的に”とっとと自分以外が外国人である状況に身を投じてもがきたい!”という欲求を押さえられず、選択肢を検討することにした。
条件はSimple、英語圏でのVolunteer活動。国連Volunteer、JICA、そして他のNGO/NPO、あと社内の海外Volunteer Program(今年は不況で中止?)、といくつか選択肢をチェックした結果、
JICAの短期ボランティアにごろごろ案件がころがっていることを発見した。国連Volunteerは”スキル登録後、個別案件ごとに問い合わせ”なるシステムでいつ案件がくるかわからない、NGO/NPOのものは超短期でしかも有料(ってボランティアというより旅行?)のものが多かった。初めてのVolunteerゆえまったく経験もないため、体制がしっかりしているJICAの選択はいまでもよかったと思っている。
そして、なぜIT?なぜUganda?か。
正直いってITは散々仕事でやり尽くし、全く新鮮みもなく、またITの普及によって自分も含めパソコン漬け・仕事漬けの人が増え、逆に社会に害悪を与えているのではないか?などという持論ももっている。それなのになぜITか?JICAの募集は、案件(職種×任国)ごとである。とくに短期プログラムは期間に制約があるため、特定スキルを短期的に発揮する案件の募集が多い。
募集案件を確認してみるとわかると思うが、職種としては、農林水産(家畜・獣医)、土木、保険衛生(看護・etc)、スポーツ(柔道・野球)、教育、そして村落開発、IT。動物の世話も出来なければ土木、医療、柔道、野球もできない私ができることといえば、スキル”0”で体当たりの村落開発、そしてIT。村落開発に非常に興味をそそられたが、短い期間で成果を出すのは難しいそう(通常2年間で1年目は村人とのrelationに作りに終始)で、自分のpotentialが最大限に発揮できるITを選択することに。ウガンダは英語圏の条件に引っかかった唯一の任国(他にスリランカがあったが、期間があわないこととアフリカにより興味があったのでウガンダを選択)。日本ではITはうんざり状態だったが、国を超えてWorld WideにCommunicationができるITのPowerを再認識している。まだこの国に今ITが必要か?そしてITを通じて豊かに、幸せになれるか?の疑問に対しては答えがないが、おいおい答えをみつけていきたいと思う。
長い長い投稿となってしまったが、しばらく抱え込んでいたものを吐き出せてすっきり?!